今日もどこかで祭りが灯る
海女さんの素潜り漁を間近に見るしろんご祭り

海女さんの素潜り漁を間近に見るしろんご祭り

公開: 2026年6月22日

来訪日: 2025年7月5日三重県

三重県鳥羽市の離島・菅島では、毎年7月初旬にしろんご祭りが開催されます。海女さんたちが豊漁と海上安全を祈願し、素潜りでアワビの初採りを競うこの祭り。全国の海女人口は約2,000人と言われ、そのほぼ半数が鳥羽市と志摩市に集中しているほど、この地域は海女文化の中心地です。

今回はしろんご祭りに合わせて鳥羽へ前乗りし、隣の答志島も歩いてきました。

祭り前日に答志島へ

しろんご祭りは午前中に開催されるため、前日に鳥羽入り。せっかくなので、菅島のすぐ隣に浮かぶ答志島を訪ねてみることにしました。

答志島には和具港・答志港・桃取港の3つの港があります。「和具港から歩いて答志港まで行き、帰りは答志港から船で」と計画していたのですが、道中で写真を撮りすぎて結局往復してしまい、和具港から戻りました。

港への道中、大きな牡蠣を処理している漁船に遭遇。答志島は漁業が盛んで、島民の多くが漁業に従事しているそうです。

答志港の近くには海女小屋もあり、仕事終わりの海女さんに大きな牡蠣や鮑を見せていただきました。

島内を歩いていると、墨で丸に「八」が描かれた家々を見かけます。

2月に開かれる八幡祭りで大漁と家内安全を祈願して書かれるものだそう。漁村の文化と歴史が今も息づいている島でした。

しろんご祭り当日|しろんご浜へ

祭り当日は朝の便で菅島へ向かいます。鳥羽マリンターミナルから定期便に乗れば、約15分で菅島港に到着。港から祭りが開かれるしろんご浜までは、山道を抜けて徒歩20分ほどです。

このしろんご浜、普段は漁が禁止されているのですが、しろんご祭りの日だけ特別に解禁されます。その特別感が、お祭りの神聖さをより際立てているように感じました。

法螺貝の音が浜に響き渡ると、いよいよ祭りが始まります。海女さんたちが一斉に海へと飛び込み、つがいのアワビの初採りを競います。最初に採れたアワビを神社に奉納して豊漁と海上安全を祈願し、その海女さんは海女頭として一年間称えられます。

この日は度々大きな波が押し寄せ、海のコンディションは決して穏やかではありませんでした。それでも海女さんたちは怯む様子もなく、潜水を繰り返しながら漁を続けます。

入水してからなんと約40分も漁を続けます。浜で見ているこちらが驚くほどの体力と技術です。海の中で体力を温存する方法があるのでしょうか。それとも長年の経験が身体を作るのでしょうか。

奉納するアワビの漁だけでなく、この日に合わせてサザエの漁も行われ、浜は活気に満ちていました。

子供たちによる漁

海女さんたちが沖で潜っている間、浅瀬では子どもたちが海女スタイルで漁に挑戦する場面も。浅瀬にばらまかれたサザエを潜って採るのですが、高い波の中で一生懸命頑張る姿がなんとも微笑ましかったです。

漁の終わり

約40分後、終了の合図とともに海女さんたちが次々と浜へ上がってきます。

それぞれが採れ高を報告する場面は、祭りのクライマックスとも言えるひとときです。

話しかけてみると、まだデビューしたばかりという若い海人さんが。それでも大量のサザエを手にしていて、若いエネルギーが頼もしかったです。一方、ベテランの海女さんは大きな黒アワビを抱えて上がってきました。

海女さんの素潜り漁を目の前で見られる機会はそう多くありません。一年に一度だけ漁が解禁された浜での、神事と漁が一体となったしろんご祭りは三重の海女文化を肌で感じられる貴重な体験でした。

祭り基本情報

祭り名しろんご祭り
開催日毎年7月11日直近の土曜日
都道府県三重県
開催場所しろんご浜・白髭神社

記事を書いた人

ひともし編集部

開催中や近日開催の祭りを地図で探せるひともしを開発しています

ともし
お祭りを集めています