今日もどこかで祭りが灯る
彫刻屋台と夜のぶっつけに圧倒される鹿沼秋祭り

彫刻屋台と夜のぶっつけに圧倒される鹿沼秋祭り

公開: 2026年10月7日

来訪日: 2024年10月12,13日栃木県

10月の第2土・日曜日に開催される、栃木県鹿沼市の「鹿沼秋祭り」に行ってきました。

鹿沼秋祭りは、今宮神社の例大祭にあわせて行われるお祭りです。始まりは1608年。日照りが続いて大旱魃となった際、雨乞いを三日三晩続けたところ激しい雷雨に恵まれたことがきっかけと伝えられています。「鹿沼今宮神社祭の屋台行事」として、ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」のひとつにも登録されています。

息を呑むほど精巧な彫刻屋台

鹿沼はかつて、例幣使街道と日光西街道が通る宿場町でした。そのため、日光山の彫刻師たちが仕事の少ない時期に、宿場や村からの依頼を受けて屋台の彫刻を手がけたという言い伝えが残っています。

各町が誇る屋台には、それぞれ趣向を凝らした精巧な彫刻が施されています。街を練り歩く26台の彫刻屋台は、一台ずつじっくり眺めていても飽きることがありません。

なかでも目を奪われたのが、まるで中をくり抜いたような手毬の彫刻。あまりの繊細さに、ただ「綺麗」というより「いったいどうやって彫ったんだろう」と不思議になるほどで、職人の技にただただ感服しました。一つひとつの彫刻から、かけられた手間と込められた想いが伝わってきます。

1日目:今宮神社への繰り込みと繰り出し

祭りの初日は、今宮神社で「繰り込み」が行われます。昼頃から各町の屋台が順番に到着し、屋根の上に若衆を乗せたまま境内へと進んでいきます。

すべての屋台が境内に集結し、見渡す限り彫刻屋台が並ぶ光景はまさに圧巻。それぞれが独自の美しさと迫力を放ち、境内全体がひとつの大きな芸術作品のようでした。

日没ごろからは「繰り出し」が始まり、屋台が順番に今宮神社を出て各町へと帰っていきます。今年はちょうど繰り出しのタイミングで突然の豪雨に見舞われ、一時中断に。それでもその後、小雨のなか提灯の灯りに照らされて進む屋台は、昼間とはまた違う幻想的な美しさでした。

2日目:ぶっつけ・揃い曳き・一斉きりん

2日目の名物は「ぶっつけ」。数台の屋台が向かい合い、お囃子を競い合うように演奏します。朝から駅前や交差点など、街のあちこちで順次行われます。午後からは「屋台揃い曳き」。屋台が街じゅうを巡りながら、古峯原宮通りへと集結していきます。

そして夜は、ライトアップされた屋台でのぶっつけ。数台が集まって一斉に打ち鳴らすお囃子は迫力満点で、灯りに浮かぶ彫刻とあいまって幻想的な雰囲気に包まれます。

もうひとつ見逃せないのが「きりん」です。鹿沼の彫刻屋台には、テコの力を使って屋台を回転させる伝承技術があり、これを「きりん」と呼びます。走りながら向きを変える他の地域の屋台とは違い、いったん止めてから息を合わせて回すのが特徴。現在は、屋台を浮かせるのに油圧ジャッキやネジ式ジャッキが使われているそうです。2日目には全屋台がこのきりんを一斉に行う「一斉きりん」もあり、大きな見どころになっています。

街で大切にされているお祭り

印象的だったのは、街のきれいさです。会場の至る所にゴミ箱が設置され、参加者の方々が自らゴミを拾っている姿も見かけました。地域のみなさんがこのお祭りを本当に大切にしていることが伝わってきます。

街を進む美しい彫刻屋台と、華やかで豪快なぶっつけ。ぜひ一度、その目で見てほしいお祭りです。

祭り基本情報

祭り名鹿沼秋祭り
開催日毎年10月第2土日
都道府県栃木県
開催場所鹿沼市街地

記事を書いた人

ひともし編集部

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