今日もどこかで祭りが灯る
神話の島で受け継がれる幻想的な姫島盆踊り

神話の島で受け継がれる幻想的な姫島盆踊り

公開: 2026年7月23日

来訪日: 2024年8月15日、2025年8月15日大分県

大分県国東半島の沖に浮かぶ姫島は、周囲約17kmの小さな島でありながら、訪れる人を飽きさせない魅力が詰まった場所です。まず何より印象的なのが、海の透明度の高さ。海岸へ行くと、青く澄んだ海が視界いっぱいに広がります。

島内の移動は、レンタルの電動自転車が便利でおすすめです。島内を楽に回ることができました。

そしてもうひとつ欠かせないのが、名物の車海老。姫島は車海老の養殖が盛んな土地として知られ、島に来たらぜひ味わいたいのがエビフライ定食です。お土産にはエビを使ったお菓子も並んでおり、島を出たあとも余韻を楽しめます。

そんな姫島で、毎年8月14日・15日に開催されるのが「姫島盆踊り」。今回、宿泊の都合で1日のみ滞在しましたが、その様子をレポートします。

神話とともに語り継がれる島の由来

姫島は『古事記』や『日本書紀』にも登場する、神話にゆかりのある島として知られています。日本書紀には、都怒我阿羅斯等(つぬがあらしと)が白い石から生まれた姫と結ばれようとした際、それを避けるために海を渡って辿り着いた地が姫島だったという逸話が残されており、これが島名の由来になったと伝えられています。

海水浴場や温泉、かつての火山活動を物語る地形など見どころも多いです。

人口の3~4倍が集まる、島最大のイベント

姫島の人口はおよそ2000人。しかし盆踊りの開催期間中は、その3~4倍もの観光客が島を訪れるといわれています。ルーツは鎌倉時代の念仏踊りにあるとされ、現在では伝統踊りと創作踊りの両方が受け継がれています。踊り手は地区の子どもたちから大人まで幅広く、世代を超えて踊りがつながっているのも姫島盆踊りならではの光景です。

会場は、フェリー乗り場のそばにある中央会場を中心に、島内6箇所ほどに設けられています。踊り手たちはまず自分の地区で踊りを披露し、それが終わると別の会場へ移動してまた踊る、という流れで一夜を通して島全体が踊りの舞台になります。

愛らしさ満点、キツネ踊り

姫島盆踊りの代名詞ともいえるのがキツネ踊り。白塗りの顔に尻尾のついた愛らしい衣装をまとった子どもたちが軽やかに踊る姿は、見る人の心をつかんで離しません。もともとは大人が踊っていたそうですが、昭和20年代以降は子どもたちが担う踊りへと変わっていきました。

2024年に訪れた中央会場は、例年に比べて観客がかなり少なめだったとのこと。南海トラフ地震に関する報道の影響があったのかは定かではありませんが、普段なら立ち見も出るほどの賑わいだという中央会場も、この日は比較的ゆったりとしていて、途中からでも最前列で鑑賞することができました。

復活を遂げた、たぬき踊り

キツネ踊りと並んで見逃せないのが、たぬき踊り。お腹をぽんぽことさすりながら踊る姿は、思わず頬がゆるむ愛らしさです。昨年は踊り手不足のため中止となってしまったそうですが、今年は無事に披露され、見ることができました。

たぬきの化粧をしている様子も撮影させていただきました。

夜にはたぬきの衣装に着替えかわいい踊りを見せてくれました。

迫力のアヤ踊りなど様々な踊りが披露される

姫島盆踊りは、キツネ踊りやたぬき踊りだけでなく、伝統踊り・創作踊りを含めたさまざまな演目が各会場で入れ替わり立ち替わり披露されるのも見どころのひとつです。なかでも印象に残ったのが、伝統踊りの「アヤ踊り」。男女がペアになり、青竹でできたアヤ棒を手にした男性が女性の間を縫うように踊る、迫力ある演目です。大きな掛け声とともに繰り広げられる豪快な踊りには、思わず引き込まれました。

お盆だけの幻想的な時間

夜が更けるにつれ、キツネやたぬき、そのほかさまざまな衣装をまとった踊り手たちが島のあちこちで踊りを繰り広げ、まるで夢のなかにいるような不思議な感覚に包まれました。そして翌朝、いつもの静かな島の風景に戻った瞬間、前夜の幻想的な光景がより一層鮮やかに思い出されました。

少子化や踊り手不足によって取りやめになった踊りもあると聞きますが、神話の島・姫島で受け継がれてきたこの伝統が、これからも長く続いていくことを願っています。

祭り基本情報

祭り名姫島盆踊り
開催日毎年8月14,15日
都道府県大分県
開催場所姫島

記事を書いた人

ひともし編集部

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