南房総の平久里地区では、五穀豊穣を祈願する祭礼が古くから行われています。白丁姿の氏子による神輿渡御では、天神社社殿を三周したのち御仮屋へ渡ります。御仮屋の起源は定かではありませんが、当初は氏子の村長たちが提灯を持ち寄り献灯し、後に大名行列や獅子舞、神楽、棒術などの奉納が行われたと伝えられています。江戸時代末期、伊勢参りの途中で京都の山車を見た米澤村の人々が、青竹や和紙で形を作り灯りを灯して担ぎ回ったことが担ぎ屋台の始まりとされ、神輿とともに御仮屋へ献灯する習わしが続いています。担ぎ屋台は四輪の山車を引くのではなく、太い棒を付けて神輿のように担ぐ形式で、狭い場所では平久里川を担いで渡りました。昭和五十年頃以降は屋台後部に補助車輪を付け、前側のみを担いで進む形になりました。
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