370年以上の歴史を持つ田名部神社の例大祭で、青森県の無形民俗文化財に指定されています。紀行家・菅江真澄が1793年(寛政5年)に著した『牧の朝露』にも、当時すでに現在に近い形で行われていたと記されています。 かつて田名部は南部藩の代官所が置かれた下北半島の中心地で、北前船の物流拠点として栄えました。京都との交流を通じて祇園祭の囃子や山車の形式が伝わり、「北のみやび」とも称される祭りへと発展しました。 田名部5町がそれぞれ「ヤマ」と呼ばれる2階建て木製黒漆塗りの山車を持ち、下階で囃子方が演奏し、上階に御神体を安置します。昼は京都から取り寄せた刺繍幕や豪華な調度品で飾られ、夜は地元絵師による絵灯籠「額」に切り替わります。囃子は昼の「祇園囃子」と夜の「ヤマヤレ」で構成され、辻回しの掛け声は町ごとに異なります。最終日には5台が一堂に集まり、樽酒を酌み交わして来年の再会を誓う「五車別れ」で締めくくられます。
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